釧路遠征 タイガースとライオン


1939年7月7日 釧路
タイガース8−6ライオン

東北海道初の職業野球として、この試合につき主催の釧路新聞にて6月4日から宣伝かながら度々掲載されている。
この試合は「阪神タイガース昭和のあゆみ」では4回降雨中止とあるが、釧路新聞(7月8日付)によると5回裏まで試合を行った上でコールドゲームとなっています。

釧路市設グランドは1935年10月16日に現在の城山小学校裏(赤屋根)に完成した陸上競技用グランドだ。あくまでも陸上競技用として完成したグランドなので野球に適するか6月21日に測量調査を受けて試合開催可能であると判断。野球グランドへと整備されたようだ。やむをえないことであるが右翼側はやや狭かったとされている。
選手らは朝から帯広を出発し、駅から釧路新聞社の社旗をたなびかせた車で送迎されて富士屋旅館に入った。前日よりたいへんな雨だったので試合開催は危ぶまれたが、どうにか開催にこぎつけたようだ。

あいにくの雨にもかかわらず観客は5千人、料金は60銭だったがライオン歯磨きの製品を持ち込めば半額の30銭になったと新聞掲載広告に書かれている。

試合経過
ラ軍 10232|8   ●朴
タ軍 11112|6   ○筒井

「前代未聞の泥んこ試合」 球場は傘と莚の氾濫
折角の職業野球試合もヒステリー雨に見舞われ5回でとうとうコールドゲームとなった。横殴りに振付ける東よりの雨風に市営グランドの天然スタンドに陣取った観客は雨を避けて雨傘の見事な行列模様を形作ってしまった。
攻撃中待ち合わせる両軍選手もさすがに雨は苦手と見えて莚天幕をかぶり「北海道は寒いね」と震え上がってしまった。
もちろんグランドは泥んこのあんころ餅。一度土に触れたボールはそのままカムバックして石灰の中に叩き込まれ、またあばたの白粉面よろしく選手のグローブに飛び出していく。
二回裏タイガースの攻撃で三塁に殺到した松木左翼手、ベースに足を乗せたとたんつるりとすべって鮮やかに尻餅。


国土画像情報(カラー空中写真) 国土交通省  http://w3land.mlit.go.jp/WebGIS/
参考資料 : 釧路新聞昭和14年6月4日〜7月8日

取材協力:釧路市立図書館
2006年7月制定

げんまつWEBタイガース歴史研究室