歴史を遡れば若林忠志投手は6度も20勝を記録している偉大な投手ということがわかる。
ただ、若林でさえ最多勝を獲った事は一度しかない。1964年にバッキーが最多勝を取るまで、最多勝は試合数が少なかった1944年の若林1回限りだった。
それは、1960年頃まで30勝勝利投手が毎年のようにおり、彼らが年間60試合近く登板して最多勝のタイトルを獲得していたためだ。
セネタース 野口二朗 白木 阪急 林 松竹 真田 中日 杉下 権藤 国鉄 金田 南海 別所 読売 藤本 スタルヒン 藤田 など
そういう意味では、バッキー・村山・江夏・小林ら、1960年以降の20勝投手はあきらかにその年のリーグを代表する投手だった。
井川慶は20勝投手など登場できないような時代にわずか29試合の登板で20勝投手となった偉大な投手だ。
年度 | 名前 | 成績 | タイトル |
1939 | 若林忠志 | 28−7 | 防御率1位 |
1940 | 若林忠志 | 22−17 | |
1942 | 若林忠志 | 26−12 | |
1943 | 若林忠志 | 24−15 | |
1944 | 若林忠志 | 22−4 | MVP 最多勝・防御率1位 |
1947 | 若林忠志 | 26−12 | MVP |
1947 | 梶岡忠義 | 22−8 | |
1948 | 梶岡忠義 | 26−17 | |
1952 | 藤村隆男 | 25−6 | |
1952 | 梶岡忠義 | 21−8 | 防御率1位 |
1953 | 藤村隆男 | 21−11 | |
1955 | 西村一孔 | 22−17 | 新人王 |
1956 | 大崎三男 | 25−14 | |
1956 | 渡辺省三 | 22−8 | 防御率1位 |
1957 | 大崎三男 | 20−13 | |
1958 | 小山正明 | 24−12 | |
1959 | 小山正明 | 20−16 | |
1960 | 小山正明 | 25−19 | |
1961 | 村山実 | 24−13 | |
1962 | 小山正明 | 27−11 | 沢村賞 |
1962 | 村山実 | 25−14 | MVP 防御率1位 |
1964 | バッキー | 29−9 | 最多勝 防御率1位 沢村賞 |
1964 | 村山実 | 22−18 | |
1965 | 村山実 | 25−13 | 最多勝 沢村賞 |
1966 | 村山実 | 24−9 | 最多勝 沢村賞 |
1968 | 江夏豊 | 25−12 | 最多勝 沢村賞 |
1970 | 江夏豊 | 21−17 | |
1972 | 江夏豊 | 23−8 | |
1973 | 江夏豊 | 24−13 | 最多勝 |
1973 | 上田二朗 | 22−14 | |
1979 | 小林繁 | 22−9 | 最多勝 沢村賞 |
2003 | 井川慶 | 20−5 | MVP 最多勝 防御率1位 沢村賞 |