甲子園球場探索4  甲子園球場近辺

その3へ その5へ


甲子園駅前の広場に何個所も立っている立て看板
「この付近は阪神甲子園球場敷地です」

国道43号線、阪神高速道路ができるまでは、この広場は甲子園球場と一体となった緑豊かな公園でした。現在では道路で分断されたものの、阪神甲子園球場の土地である事に変わりがありません。
3つの売店(食堂)は北から「日吉食堂」「甲子園清水食堂」「やっこ食堂」です。いずれも歴史あふれる店ですので、店の中には意外なものがあったりします。買い物するだけではなく、ぜひ中に入って食事をしてみて下さい。
北側の縞のテントにKIRINのマークが「日吉食堂」です。3つの中では一番食堂に力が入っています。
赤いテントは「シミズ」です。おでんが有名な店で、ここのおでんは試合前の選手の食事用に配達されていた程です。
黄色いテントの「やっこ食堂」は21世紀に入ってから食堂としての営業を取りやめています。
店内は土産物売場となってしまいました。
私はやっこ食堂をひいきにしていただけに残念でなりません。やっこ食堂は戦後阪神タイガースの選手宿舎として使われたやっこ旅館の系列下で、やっこ旅館は今でも甲子園球児の宿舎として有名です。
やっこ食堂の前にはタイガース50周年記念碑があります。吠えるトラの像はよくよく注目すると細かい細工がしてあり、結構お金がかかっているように見えます。この像もそろそろ整備をしてやらないと徐々に傷みが目立ち始めました。85年5月4日にアサヒビールから寄贈され、作者は彫刻家の柏木秀峰だったそうですね。
普段は自転車にも埋まるので、朝の人がいない時間に撮影してみました。

94年8月に朝日新聞社・毎日新聞社・高野連が甲子園球場70周年を記念して建てた「甲子園大運動場像」です。
裏には次のように書かれています

甲子園大運動場建設概要    位置 兵庫縣武庫郡鳴尾村 敷地面積 14000坪  
内譯 運動場 5900坪 観覧席 5100坪 第一期施工  3000坪 擴張豫備地  
総収容人数 80000人 観覧座席設備総数 50000人  
鐵筋混凝土造大スタンド(座席階段五十段)29000
築堤式木造スタンド(座席階段二十段)21000
観覧席総延長60600尺 約4里7分 18「キロメートル」4分
地鎮祭 大正13年3月11日  起工3月16日   竣工7月31日 工事期間 四ヶ月半
工事関係者 阪神電気鉄道株式会社 株式会社 大林組
工事施工請負者 株式会社 大林組
付帯工事関係者 工事用電力の供給 電燈電力設備 阪神電気鉄道株式会社

阪神電気鉄道株式会社 工事監督者
石崎千二 富樫興一 石川眞良 湯浅榮 丸山繁 野田誠三 溝口寛
本運動場建設設計ニ関する指導者
小野三千麿 高濱茂 松田捨吉 小西作太郎 佐伯達夫 木下武之助 加藤吉兵衛 高瀬養 腰本寄 佐々木勝麿 木下東作 東口眞平
球場側に振り向くと、高速道路の高架の向こうに甲子園球場があります。この角度で見る球場が好きという人がよくいます。
高架は邪魔ですね。
阪神甲子園球場の緑の看板は高架の国道43号線からよく見えます。下からは正直見えませんので、高架道路のためにあるという感じがします。

この面は駅に対して正面となります。本来7号門が正面であるべきですが、こういう向きに配置する事によって、太陽の光の影響がプレーに差し障りがないようにしたそうです。そういえば、阪急西宮スタジアムも駅から90度左にバックネット裏が位置するようになっていますが、甲子園と同じ向きを向いているといえます。
日本の球場はこのような方向が多いそうです。

1塁側スタンドとテニススクールの間の影にあるこの記念碑は、選抜甲子園大会の優勝校を記念する物。

両サイドには歴代優勝校の名前が刻まれています(最新の学校まで)。
甲子園優勝校といえば、外野スタンド裏の道路にも歩道に立つ縁石のひとつひとつに優勝校名が刻まれています。
まさに、甲子園の歴史の重さを感じさせるものです。

甲子園には昔、現在の甲子園警察の場所に、野球塔というものがあったようです。
古い西宮市の写真集などを見ると、この野球塔の写真が掲載されています。第20回の中学野球大会を記念した物で円形の階段の真ん中に塔が建っているものでした。
現在は跡形もありません。

1塁スタンドにある緑のテント、これは株式会社ヘンゼル直営食堂の厨房につながる、食料品搬入口です。

午前中には、このようにトラックが横付けされて、ヘンゼル名物のパンを始め、さまざまな食材が搬入されます。
ベル食品工業のカレー、美食家の焼き鳥なども同じです。試合のある日は当然ですが、試合のない日もヘントラはやってきます。球場の中にあるという従業員専用食堂「サロン蔦」の食材も担当しているからでしょう。

清和産業の不燃ゴミ回収トラックです。
試合のあった翌日の朝に必ずやってきて、甲子園のゴミを持って帰ってくれる、ちょっといかしたトラックです。この日は試合の翌日ではないので、ごみの量も多くないようでした

応援に行く皆さんも知らないうちに世話になっているので覚えましょう。
「産業廃棄物は清和産業」 阪神間では、そこそこ名前が知れた業者さんです

ちなみに この位置は、試合がある日はサンテレビなどのテレビ中継車が駐車して、マスメディアの中継本部となります。

パーラーアルプスの裏です。
この2階に事務所を構えているのは、鳴尾消防署派遣隊本部です。
この部屋が活用されている姿はあまり見ませんが、救急車がここに停車するのは何度も見た事があります。

現在ではパーラーアルプス自体が改装されてしまったので目立たなくなっています。

制定:2002年10月16日

げんまつWEBタイガース歴史研究室