武庫川線


阪神電車の武庫川線。本線・武庫川駅から南に1.7kmだけの短い支線です。

武庫川には川西航空機の工場がありました。武庫川線は戦時下、工場への脚と貨物輸送のために設置された路線でした。
1943年11月21日に武庫川−洲崎(今の武庫川団地前駅付近)間が開通。その後、北へ向かい44年8月には国道2号線武庫川大橋まで延長、同11月には国鉄・甲子園口駅まで延長されて貨物列車の乗り入れが行われた。洲崎には貨物駅が設置された。軍の命令によるもので計画からわずか1年での全通、阪神電鉄の技術者・工員が総動員されました。そのような時期であり、戦時中のタイガースの選手たちは不足する人員の補充として浜田車庫に配属されたのです。
東鳴尾駅は無人駅。そもそも武庫川線は全線無人駅、昔は車掌がいましたが、今は武庫川駅の本線との乗り換えのところに中間改札機を置いてあります。

武庫川線、朝夕のラッシュ時以外はほとんど乗客もいませんし、途中の駅は無人駅だし、すごい田舎のローカル線のような気がします。

全線単線の中、この駅にはすれ違い設備があります。駅は1943年に近い状態で当時のままの雰囲気。駅舎はなく、踏切からいきなりホームに上がれます。駅のまわりは一方が武庫川の土手(写真撮影場所)他方が住宅地です。住宅だけを見ていると都会なような気もします。
洲崎駅。狭いところに駅があってすごく中途半端な印象を受ける駅。

洲崎は元々現在の武庫川団地前駅の近辺にありましたが、戦後・進駐軍が川西航空機工場を占拠した時に、その敷地を避けて北側に移されて開業されました。だから東鳴尾駅と洲崎駅の距離は変に近い。

武庫川駅にも近く、立て込んだ住宅地の裏にあるこの駅は自転車の路上駐車もする場所がなく不便。ほとんど駅周辺の専用駅となっております。とはいえ、関西電力や神戸製鋼の社宅があって、ラッシュ時には乗客がたくさんいます。
阪神電鉄で一番よくわからない駅だと思う。
武庫川団地前駅は1984年に公団住宅建設にあわせて開業。

もともと廃線がありましたから、それに沿って線を引きなおした。
ここは普通の駅で乗客も多く、正面には阪神タクシー乗り場もあります。駅前には川西航空機跡地などが整備された広大な武庫川団地が広がります。この駅から南に1km行くと鳴尾浜球場があります。

武庫川団地といえば、1985年頃のタイガースの新婚選手は多数、武庫川団地に入っていました。嶋田宗彦・渡辺長助・山川猛の3人が団地住まいだったので、阪神の捕手は武庫川団地ばっかしだと言われたものです。

げんまつWEBタイガース歴史研究室